2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

検査妨害

 木村剛が約三千人を前に高揚感を味わっていたその頃、金融庁による立ち入り検査が始まってからすでに半年以上もの時間が経過していた。日本振興銀行にとって三回目となる検査が通知されたのは前年五月二十六日のことで、実際に金融検査官による立ち入りが始まったのは六月十六日だった。金融庁が送り込んできたのは、前回と同じメンバーによる検査チームだった。

 金融庁検査に対し、木村の敵対姿勢は最初から露わだった。

 検査通知があった日、日本振興銀行は木村をトップとする「金融庁検査対応プロジェクトチーム」(PT)を立ち上げることとし、検査対応を専務執行役の山口博之に一本化することと、検査官とのやりとりをすべて録音するこ…

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