2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

あとがき

 逮捕勾留から五カ月近くを経た二〇一〇年十二月八日、日本振興銀行の木村剛元取締役会長は保釈保証金一〇〇〇万円を納付して保釈された。翌日午前九時半から東京・霞が関の司法記者クラブで木村元会長は記者会見に臨み、自らの経営責任について一定の謝罪を表明した。傍らで同席していたのは人権派で知られる弘中惇一郎弁護士。ロス疑惑の故三浦和義氏や、無罪判決を先頃勝ち取った村木厚子元厚生労働省局長、さらには政治資金規正法違反に問われた民主党の小沢一郎元代表の弁護人などで知られる今最もやり手の弁護士である。

 自らの不明を恥じるしかないのだが、私は会見予定を完全に落としていた。インターネットの速報で知り、弘中弁護士に…

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