2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

国会喚問

 一九九九年十一月十一日、大島健伸は参議院財政・金融委員会に参考人として呼ばれた。松濤ゲストハウスが完成して一週間。成功物語の記念碑ともいえる豪邸が落成したのと同じ頃、世間では商工ローン業者に対するバッシングの嵐が吹き荒れていた。

 商工ローン被害者の救済を目的に前年十二月には「日栄・商工ファンド対策全国弁護団」が結成されていた。中心を担っていたのは多重債務者問題に長年取り組んできた共産党系の「クレサラ弁護士」だった。対策弁護団の動きに呼応して一部新聞は商工ローン問題を追及するキャンペーンを展開、さらに日栄社員による「目ん玉売れ事件」が表面化すると、批判の渦は大きくとぐろを巻いた。借り手を食い潰…

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