2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

二重譲渡

 ローン債権買い取りを軸にして、日本振興銀行とSFCGとの関係は複雑に入り組んでいた。たとえば、SFCGが調達資金の一部で振興銀の劣後ローンを購入していたとの事実がある。振興銀から見れば、資金を一回りさせることで自らの自己資本をかさ上げする効果があった。本来は禁じ手である。

 さらにこんな事実もある。

 二〇〇八年六月、日本振興銀行の本店内に「中小企業管理機構」という新会社が登記された。中小企業振興ネットワークを構成する一社だが、同社の前身は「城東SFキャピタル」といい、以前は上野に本店登記がなされていた。かつての住所にあるのはほかでもない、大島一族が上京後にキャバレーを営み、大島商事が本拠として…

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