2010年に逮捕された2人の金融マン エリートとアウトサイダーが見た奈落
SFCG(旧商工ファンド)の大島健伸と日本振興銀行の木村剛。彼らはどのように一時の成功者となり、転落していったのか。2人の人生をたどりながら、他人を犠牲にした個人主義の蔓延に警鐘を鳴らす。

内紛

 ジェイ・シー・エムを含め、落合伸治による紹介案件の焦げ付きは計七社、金額にして約一億五五〇〇万円に上ったとされる。

 開業から半年後の十月二十八日、日本振興銀行は唐突に「日本振興ファイナンス」という名の子会社を設立する。融資先の開拓を目的とする営業専門子会社とされたが、真の狙いはそこの社長に据えることで、落合を体よく銀行本体から追い出すことにあった。

 社外取締役でありながら行内の主導権を握りつつあった木村剛は、この策略めいた話の裏で金融庁長官の五味廣文から了承を取り付けていたともされる。その真偽がどうであれ、この時点では新銀行の生みの親である落合をそれなりに遇するとの配慮が木村にはまだあったも…

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