言葉の暴力――ではない。これは「暴力」そのものだ
2013年の新語・流行語大賞にノミネートされた「ヘイトスピーチ」なる現象は、年を追うごとに拡大している。当初は、東京・新大久保界隈における在日韓国・朝鮮人に対しての罵詈雑言ばかりが注目を集めていたが、いまや対するヘイトスピーチは全国規模に拡散。また、Jリーグのサッカー会場に貼られた「JAPANESE ONLY」という横断幕が、民族・国籍の差別を助長するとして問題視されもした。さらに、ヘイトの矛先は、中国やイスラムにも向けられている……。
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1章 暴力の現状

▼「流行」か、「一時的」か?

 2013年の暮れ、新語・流行語大賞トップテンに「ヘイトスピーチ」が選ばれた。特定の人種・民族などへの憎悪を煽る行為が〝流行〟とされたことには違和感を覚えざるを得ないが、この年、差別と偏見をむき出しにしたヘイトスピーチが、日常的に路上で飛び交ったことは、まがいもない事実だった。日韓国交断絶や在日コリアンのはいせきを訴える〝差別デモ〟は、週末の風景として定着した。

 そして不穏な罵声が飛び交う〝差別デモ〟は現在も毎週末、全国各地でおこなわれている。

 皮肉なものだ。

 数年前、こうしたデモが散発的に行われるようになった際、メディアの多くはこれを無視した。それがいまでは「流行語大賞」にノミネートされるような…

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