貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである
バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。

□経済活動は「ひとり」でするか「夫」とする

 グラミン銀行のメンバーは、何らかの経済活動のために、融資を受ける。始めは低い額であるが、順調に返済すれば、さらに高額の融資が受けられるようになっている。

 先に示したように、メンバーは、さまざまなことにお金を使う。このうち、女性による資金の使い方には、二つのパターンがある。ひとつは、女性がひとりで活用する場合である。ニワトリを放し飼いする。ジュートで手工芸品をつくる。竹でかごやざるをつくる。ミシンで衣服を仕立てる。牛を飼育する。ポップライスをつくる。こうしたことは、屋敷地(バリと呼ばれる。これをとり囲むように親族の家が建っている)のなかで行われている。

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