貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである
バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。

3 「私」が自由に使えるお金

□貧しい女性のお金の使い道を教えてくれる「グループ基金」

 バングラデシュでは、ほとんどの買い物は男性がする。男性は、値の張る大きな買い物だけでなく、食料品、日用品、衣料品、そして女性の必需品まで買う。だから、物の値段をよく知っていて、物をみる目がじつに肥えている。妻や娘の好みを知らないようでは、夫や父として失格だといい切る人もいるほどである。買い手が男性なら、売り手も男性が多く、女性の店員はまだまだ少ない。

 このように、男性は家計の中心的な稼ぎ手であり、目にみえる消費の中心でもある。こうした理由から、さまざまな統計や調査は、男性の行動をあらわしているものが多く、女性の「お金」に関する行動は、なかなかみえてこない。

 実際、貧しい女性たちのなかには、お…

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