貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである
バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。

□アサトゥンさん

 もう一人は、四〇歳くらいのアサトゥンさんである。彼女は、二〇年くらい前に夫に捨てられた。物乞いを始めてもう一五年になる。彼女には娘が二人いたが、一人は亡くなった。もう一人は一六歳くらいで、他家のメイドとして住み込みで働いている。彼女は現在、病気の母と一緒に暮らしている。

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