貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである
バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。

□リーダーとしてもっと成長するために

 女性たちは、おしゃべりが好きだ。私を見かけると、いろいろなことを質問してくる。なかでも必ず聞かれることは、「結婚しているのか」、「子どもはいるのか」、「ひとりで来たのか」の三つである。一方、女性たちの話のなかに、多く出てくる言葉は、夫と息子である。

 女性の多くは、夫と子どもに強い関心をもち、家族を中心に暮らしている。そして、家族や親族以外の男性と話すことを、ほとんどしない。

 そうした女性たちは連れ立って、毎週定時にセンター集会に参加する。集会所は、メンバーみずからが設置したものであり、グラミン銀行が用意したものではない。集会には、センターをうまく運営するための、センター長がいる。

 彼女は、四…

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