私は、二〇〇一年六月に廃止されたグループ基金について、女性たちの記憶が薄れないうちに話を聞きたいと思い、二〇〇三年二月から三月にかけて、四県一六〇人に会った。彼女たちは、グループ基金のことをじつによく覚えていた。
まず、グループ基金の利用の有無を尋ねたところ、六〇人が利用していた。利用者は、貧しい地域に暮らす女性のほうが、豊かな地域に暮らす女性より多かった。
次に、グループ基金を最後に利用したときの額や使い道について尋ねたところ、一件当たりの額は平均して、貧しい地域では一九〇〇タカ、豊かな地域では三三〇〇タカであった。使い道は、治療費、教育費が最も多く、次いで住宅費、事業資金が続く。夫の出稼…
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