貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである
バングラデシュの貧しい女性たちに無担保で融資し、自立を促す「グラミン銀行」。その活動を8年にわたって調べてきた著者が、女性たちの奮闘する様子を活き活きと描く。

まえがき

 貧しい人びとの生活をよくしようと、彼らをきちんとした借り手として扱い、貸す銀行があるといえば、私たちのほとんどは、急には信じられないというでしょう。なぜなら、銀行は貧しい人を相手にしないと思っているからです。それにもまして、貧しい人には、お金を〝あげること〟は考えても、〝貸すこと〟は考えたことがないからです。

 世間のこうした常識は、貧しい人びとをさらに苦しめてきました。そのためもあって、彼らは、最低限の生活を維持するため、こうなりたいということや、こうしたいということを、犠牲にしなければなりませんでした。つまり、生きることに精一杯で、彼らが望む「なれること」や「できること」を、放棄せざるをえ…

無料公開中のページへ

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01