しかし、過去一度だけ、債権者集会で「否決」された例があった。いまから10年以上前の和議の事案である。
当時の和議手続きは、一般的には、和議は「詐欺」ではないかと揶揄されるほど、信頼のない手続きであった。
それは、和議条件が可決され、認可決定を得ても、その和議条件には判決と同様の効力(この効力を債務名義といいます)がなかったため、和議会社が和議条件を履行しなくても、債権者側は債権回収のための強制執行すらできなかった(別途、訴訟を起こす必要があった)。
しかも、現在の民事再生手続きと違い、和議条件(再生計画案)の履行ができなくても、和議廃止→職権破産となる手続きがなく、和議債務者は平然と和議条件…
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