その社長は、首を吊ろうと思ったこの「工場」で、新年を迎えられる喜びに感激して泣いていた
銀行にその名を恐れられる一方、人情派で知られる再建弁護士・村松謙一。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも反響を呼んだ、生々しい実話で綴る「会社救済ドラマ12話」。

会社救済ファイル11 遅れし企業を見捨てずに

──関係者の善意のスクラムで建設関連会社を生き返らせる

弁護士としての「正義」とは

 20014月から、5年半の間に及ぶ小泉内閣の残したものの中に、もちろん立派な遺産もあるだろうが、『負の遺産』と呼ぶしかないものがある。行き過ぎた競争社会が生み落とした「格差社会の拡大」という現実である。一部の富裕層とそうでない層の差が拡大しているどころか、生活困窮者(とくに生活保護受給者)が増大しているという現実だ。

 私は、01125日に、参議院の財政金融委員会で参考人として意見を述べた際、後に続く力のない者、弱き者、競争に遅れし者たちを見捨てて、ひと握りの強き者に富を集中させて前を進み続ける競争社会はいかがなものかと、倒産の現場の最前線で見聞きしたことを国会議員の先生方に訴えた。それ…

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