その社長は、首を吊ろうと思ったこの「工場」で、新年を迎えられる喜びに感激して泣いていた
銀行にその名を恐れられる一方、人情派で知られる再建弁護士・村松謙一。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも反響を呼んだ、生々しい実話で綴る「会社救済ドラマ12話」。

会社救済ファイル12 空から吹いたフォローの風

──あきらめない誠実な対応が修羅場から脱出させる

 これまでは、企業再建に携わる者として、経営者の心の奥に隠された、家族の苦しみや命に関わるつらいできごとを読者の皆様に知ってもらうために、守秘義務とプライバシーに配慮しつつ、重く苦しい話をできるだけ事実に正確に報告してきた。ここでは趣向を変えて、企業再建に関与していて、ホッとする、明るく、それでいて肩のこらない話をしてみよう。

 あなたは何回も訪れる〝偶然〟に、どんな意味を見出すだろうか。

I社長との出会い

 最後に、フォローの風が吹いた、〝北の大地〟での思い出に残る話をしよう。

 多くの人の縁と、さまざまな偶然が重なった再建のドラマであった。

 もしかしたら、これも『天国からのプレゼント』なのかもしれない。

 大手生保…

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