その社長は、首を吊ろうと思ったこの「工場」で、新年を迎えられる喜びに感激して泣いていた
銀行にその名を恐れられる一方、人情派で知られる再建弁護士・村松謙一。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも反響を呼んだ、生々しい実話で綴る「会社救済ドラマ12話」。

会社救済ファイル8 「対症療法」ではなく「根治手術」を

──売上右肩下がり時代に「リ・スケ」で真の再生はむずかしい

貸し渋り対策法案

 20091130日、返済猶予も含めた貸出条件変更の努力義務を金融機関に課す、「中小企業金融円滑化法」(以下、「円滑化法」という)が成立した。この法案に対する世間の意見は、賛否両論あるという。

 ここにいう世間の意見には、大企業の社員から中小企業の経営者等、混然一体としているが、耳を傾けなければならないのは、しょせん他人事の議論をしている第三者の意見ではなく、いままさに死に直面している、中小企業の経営者や職のない若者その人たちの声であろう。

 なぜなら、憲法25条で明記されている「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という権利は、日本国民一人ひとりに例外なく保障されて…

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