伝統──それはむしろ対決すべき己の敵であり、また己自身でもある
縄文土器・尾形光琳・庭園を題材に、日本の美を探り出す。『今日の芸術』の新展開。

超近代的な空間感覚

 さらに驚異的事実──それは私じしん、先年博物館で土器にふれながら、感動的に見きわめたことなのです。

 驚くべき空間性です。それはわれわれの近代的感覚に直接、ビリビリとふれてきます。美術史を通じて、彫刻はつねに一定の空間を占めるかたまりとして、あつかわれてきました。ところが、その外がわであり、また背景としてだけ考えられていた空間を、内部に取りこみ、造型要素に転化せしめ、ついには空間そのものを彫刻したのが二十世紀のアヴァンギャルド、抽象主義彫刻家たちの偉大な功績です。ムアー、ガボ、ペヴスネール、リプシッツ、ゴンザレス、ジャコメッティ、カルダーなど、みごとな空間構成は彫刻を新しい…

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01