伝統──それはむしろ対決すべき己の敵であり、また己自身でもある
縄文土器・尾形光琳・庭園を題材に、日本の美を探り出す。『今日の芸術』の新展開。

石組みの三つのダイナミズム

 さてつぎに、もっとふつうの石組み、つまりきわめて自然な様子で組まれた石について、考えてゆきましょう。しかし前述したとおり、ここでもただ自然の外面をうつしとり、形を似せて景を作るというような、よりかかった精神を土台にしては、感動的な作品を作りえないことは言うまでもありません。

 まず、石を石としての美しさでとらえるべきだと思います。石そのものの重み、ヴォリューム、それにいくせいそうの雨風に打ちたたかれた色あい、苔むしたきめなど、いろいろとディテールの味わいはあるにしても、それらをひっくるめて、全体としての石組み自体の構成美。石相互の緊密で必然的な関係。そこに生まれ…

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