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vol.34 【特集】人権・人間の尊厳について考える1週間

 SlowNewsでは、平日月曜日から金曜日までに5日間、「丁寧に掘り下げていく」という読書体験のお手伝いとして、テーマを変えて【特集】を組み、SlowNewsで読める書籍や記事をご紹介していきます。

 2022.2.21〜2.25は、「人権」や「人間の尊厳」をテーマにSlowNewsで読める書籍・本をピックアップしました。ロシアによるウクライナ軍事侵攻が心配な中、Twitter・Facebookに投稿したものを、こちらにまとめます。

月曜日/なかなか報道されることのない社会に生きる一人一人の声

今週は「人権」や「人間の尊厳」について考える1週間。

説教?

と思わず、ぜひのぞいてほしい本がたくさんあります。人権問題は、環境問題などと同様、今、世界でクローズアップされ「生」の最も深いレイヤーにある大切なもの。今日はSlowNewsでとても読まれている1冊をご紹介します。

フォト・ドキュメンタリー 人間の尊厳 いま、この世界の片隅で」(岩波新書/林 典子)

報道の自由がないガンビアで知り合った仲間の若いジャーナリストたちが、殺され、襲撃され、著者の林典子さんは、彼らと一緒に過ごした日々を思いながら、こう考えました。

「なかなか報道されることのない社会に生きる一人一人の声をもっと聞きたい」

その後、出会っていく、難民キャンプで暮らす少女、配偶者から硫酸で顔を焼かれた女性、震災で家族を失った被災者、誘拐され結婚を強要された女子大生――

「人間らしく生きることとは」

世界各地の市井の人の姿を見つめながら考えます。

火曜日/「死刑」について考える

今日は、「人間らしく生きる」の反対側――と言って良いと思うのですが、「死刑」についての記事をご紹介します。

SlowNewsでは、小説新潮で連載中の「デス・ペナルティー 生と死のあいだで」が読めます。

死刑は究極の人権侵害とも言われます。一方、死刑の廃止には、被害を受けた人やその身内の心情や、社会の処罰感情に配慮する見地から、根強い反対意見もあります。

「先進的な民主主義国家で、死刑のある国は日本とアメリカだけ」

死刑を待つ人の言葉から、読後、何を思うでしょうか。

水曜日/自分とは決して遠いことではない「病や老い」と人権

今日は『精神医療に葬られた人びと 潜入ルポ 社会的入院』と、『解放老人』をご紹介します。何らかの理由で、入院せざるを得なくなった人々が「その人らしく生きる」ことについて、考えさせられる2冊。

精神医療に葬られた人びと 潜入ルポ 社会的入院』では、これまで、民間の精神病院が傾向として患者の人権より経営的ニーズを優先させてきた〝事実〟や、20万人とも言われる社会的入院の内実から、患者がその人らしく生きる権利が、奪われていることがわかります。

一方、「解放老人」には、特に「人権」について書かれてはいません。重度認知症になった老人と、その周りで介護をする人々が描かれています。老人たちの自由さ、生の豊かさ、その人らしく生きられる環境。

こういうことを自分の老いた先に望めるのだろうかとふと考えてしまいます。

自分とは決して遠いことではない病気や老い。

そこで、自分らしく、人間らしく生きられるのかどうか、知っておきたいことでもあります。

木曜日/「生きる」ことそのものを一瞬で奪う「戦争」

今日は、他の本を紹介するつもりでしたが、変更して、「生きる」ことそのものを一瞬で奪う「戦争」の記事を紹介します。

イラク戦争 ファルージャ突入記 憎悪と殺意と悲しみの街』(講談社「現代」/小川 功太郎)

ウクライナに思いを馳せて。軍事侵攻をやめ、何の罪もない命が守られることを願って。

金曜日/子どもの人権ーー性的虐待を考える

ウクライナで起きている事態を考える時、小さな命が心配になります。もちろん大人の命も大切ですが、幼い命が、どんなに死の恐怖に怯えているのか、と思うと胸が張り裂ける思いです。守られるべき存在――その子どもの人権に関する本をご紹介しました。

子どもへの性的虐待」(森田 ゆり/岩波新書)

この本は、読むのがつらくなる内容かもしれません。でも、「心の応急手当ての具体的な方法は「聴く」こと」とあるように、被害を受けた子どもの話を受け止めることが、「応急手当て」だと著者は言います。

「安心、自信、自由」の人権。その人権が奪われてしまう三つの暴力の状況。

本の中には、

「子どもが権利をもつとき、モラルは完成する」

という言葉があります。

子どもたちが「安心して生きていたい、生きさせろ」ということを主張できたら。

1948年に国際連合が世界人権宣言を採択したのは、第二次世界大戦の反省からです。

SlowNewsには、他にもたくさんの、「人権」「人間の尊厳」に関する記事・書籍がたくさんあります。「戦争」「ロシア」についても。

この週末に、探してみてください。

SlowNews/吉田千亜

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