退職前に始末を付けておきたい事件がある
ニュージャージー州バーゲン郡のロバート・アンジロッティは退職を目前に、47年追い続けていた未解決事件に頭を巡らせていた。目星はついていた。犯罪史上に名を残す「タイムズスクエア連続殺人事件」の犯人、リチャード・コッティンガム。なぜ殺人鬼は長年の沈黙を破り、老刑事に語り始めたのか? NYTがベテラン刑事の最後の仕事が終わるまでを追った。

「時と共に、成長した殺人鬼になっていった」

 三つの事件に関するコッティンガムの告白は、何年もの間、秘密のままだった。ところが、20201月、犯罪ドキュメンタリー・ライターのピーター・ヴロンスキーが、コッティンガムが彼とのインタビューで過去の犯罪について洗いざらい語り、その内容をまとめた本を近く出版すると発表した。本の内容が報道されたとき、アンジロッティは、もはや事件を秘密にしておく義務はないと感じた。

「私は彼との約束をずっと守ってきた。彼のしたことが公になるのは彼自身の責任だ」とアンジロッティは述べた。

 アンジロッティはずっと、郊外に住む少女の連続殺人事件と大都市で起きた売春婦の連続殺人事件…

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