なのに、何で仮放免が出ない?
私は2020年10月から毎週水曜日、「牛久の会」が東日本入国管理センターで行っている面会活動に同行している。パキスタン人のカリール、ベトナム人のトラン……。「収容者」との度重なる面会を通して、多くの日本人が知らない「現場」が見えてきた。
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「支援がなければ、生きていけない」

仮放免「収容よりは少しいい程度」

 人ごみの中で、彼を見つけるのは意外と難しかった。背丈は、行き来する地元の人とあまり変わらない。服もファストファッションの店で売っていそうな、ありふれた普段着。ずいぶん近づいてから突然気付き、慌てて手を振った。横断歩道の向こうとこっち。信号が青に変わった途端、彼は向こうから走り寄ってきた。

216日の火曜日、東京都杉並区のJR高円寺駅近く。風は冷たく強い。髪が舞い上がる。

 「遅れてすみません。元気でしたか?」

 息を切らしているのは、カメルーン人のガッサム・チャッチュワ・パトリック(31)だ。東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で私が何度も面会していた難民申請中の元被収容者である。2020年…

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