では、職人を束ねる会社に補助金を出せばいいのかというと、それが必ずしも職人文化を守ることになるとは言い切れません。
かつて伝統技術の需要が多くあった時代は当然、伝統技術を生業にしている企業が多くあらわれました。創業が明治以降の京都の企業というのが案外多いことからもわかりますように、近代から戦後にかけて伝統技術関連企業が爆発的に増えていったのです。
このような企業は、大量生産を行いつつ品質を確保するため「分業制」という手法をとることが多く、その代表が京都でした。
京都の伝統文化というのは、「分業制」でつくられていることが特徴です。工程ごとに職人がいて、それぞれが自分の仕事を行う。この流れ作業が…
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