手厚い保護が文化財を殺す!?
なぜ日本人は、「カネのなる木」を枯らすのか?「国宝」なのにボロボロな理由、日本の職人をクビにして海外へ外注、伝統工芸品の価格は「ボッタクリ」だ、「補助金漬け」の実態、他。「山本七平賞」受賞作に続く衝撃の問題提起。

■塗装に見る文化財行政の歪み

 保護行政の下の最低限主義と、観光と保護の両立を目指すやり方の違いを象徴するのが、塗装です。これは文化財では非常によくある話ですが、建物の塗装が剝げてしまっただけでは、その部分だけを補修するのはなかなか難しく、大規模な修理のタイミングを待たざるをえないというパターンが非常に多いのです。

 なぜなのでしょうか。つきつめていくと、理由のひとつに文化財修理の予算が少ないことが挙げられます。予算が少ないため、雨漏りが始まった、支柱が倒壊しそうなどといった緊急性の高い修理が優先され、それを直した後、予算に「あまり」が出て初めて、塗装などに手をつけるという「優先順位」が決められているのです。

 限られた予算な…

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01