このような整備をしていく上でひとつの参考になるのが、海外の文化財行政です。現時点の日本の文化財行政と海外のそれに大きな違いがあることは明らかです。もちろん、海外のやり方をそのまま真似すべきなどと言うつもりはなく、その「違い」から、日本独自の解決方法を見つければよいという話です。
海外では、保護専門の文化財行政よりは文化財保護と観光のニーズを両立させた行政を行うことが一般的であり、その傾向は先進国になればなるほど強くなっていきます。そう言うと、「海外では、文化財のような国民共有の財産を金儲けに使うことに抵抗がないのか。日本は違う」という反対意見を述べてくる方がいますが、これは大きな間違いです。
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