手厚い保護が文化財を殺す!?
なぜ日本人は、「カネのなる木」を枯らすのか?「国宝」なのにボロボロな理由、日本の職人をクビにして海外へ外注、伝統工芸品の価格は「ボッタクリ」だ、「補助金漬け」の実態、他。「山本七平賞」受賞作に続く衝撃の問題提起。
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補助金で支えるのは「職人」か「社長」か

 第8章では、日本の伝統文化の世界が抱える問題を指摘しました。

 さて、そのような視点で「伝統文化」の世界を眺めてみると、きわめて厳しい状況に追いやられている分野がもうひとつあります。それが「呉服」です。

 海外から洋服が入ってきた、さまざまなファッションブランドも入ってきたなどというレベルではなく、そもそも現代の日本人で、どれだけの人が日常的に和服を身にまとっているでしょうか。せいぜい夏の花火大会で浴衣を着る程度で、お正月や結婚式など「ハレの日」も洋装ですごすことが多くなりました。そのような意味では、呉服をめぐる「環境」はかなり壊滅的であると言ってもいいのではないでしょうか。

 実際に、呉服市場の…

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