手厚い保護が文化財を殺す!?
なぜ日本人は、「カネのなる木」を枯らすのか?「国宝」なのにボロボロな理由、日本の職人をクビにして海外へ外注、伝統工芸品の価格は「ボッタクリ」だ、「補助金漬け」の実態、他。「山本七平賞」受賞作に続く衝撃の問題提起。

■安い拝観料は誰のため?

 拝観料が安いというのは、ユーザーメリットがあるようにも思われますが、むしろ文化財に関わる人たちにとっての恩恵のほうが大きいのです。一見消費者主義に見えますが、実はこれは供給者主義的な考え方だと思います。

 二条城の拝観料が1500円ならば、それに見合う文化体験ができないとクレームが出ます。施設がボロボロだったら不満も出るでしょう。しかし600円ならば「まぁ、そんなもんか」という感じで、クレームは出ません。サービスを手厚くする必要はありませんし、改善要望などに耳を傾ける必要もありません。つまり、シニカルに考えると、入場料が安いと運営側、とりわけ学芸員が楽なのです。

 こういう仕事のやり方に慣れてい…

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