日本人観光客はこれからの人口減少を受けて、激減します。その対策のひとつとして、本章では、文化財の収益のひとつである「入場料」について考えていきたいと思います。
結論から申しますと、私は文化財の入場料が今の時代に合っていない、安すぎる水準にあると思っています。文化財の本質的な価値から考えてみても、あるいは維持費、他の娯楽などの価格帯との相対比較から多面的に評価しても、そのような結論に至りました。
まず、多面的に文化財の価格の相対比較をしてみたいと思います。これには抵抗がある方も多いと思いますが、歴史や文化をひとつの商品として考えることによって、その経済合理性が明らかになりますし、現在の価格設定…
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