日本の文化財は「建っているだけ」だから楽しみが少なく、勉強ができる場でもなく、満足度が低いというのが、私の認識です。
前章に書きましたように、今までは文化財は保護するものであって、修学旅行生がすでに勉強した歴史にまつわる実物を見るための場所でした。これは、人口が激増して、休みが集中している日本人に向けたもので、文化財を深く理解してもらう必要がなかった時代を反映しているやり方だと思います。国にも余裕がありましたので、所有者もそれほど、修理に苦労しなかったと聞きます。
そのため、国民や観光客のニーズがあまり優先されず、文化財はさまざまな分野の専門家の領域となりました。このあり方を理解した上で、観…
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