人類史「3度目の定常化」時代とは?
「拡大・成長」という成功体験幻想を追い続け先送りされてきた「持続可能な社会」モデルとは。転換を図るための10の論点と提言。

「複雑系としての病」

 こうした点を、病気あるいは医学や科学のあり方にそくして考えた場合、「複雑系としてのやまい」という視点が重要と私は考えている。

 ある意味では当然のこととも言えるが、病気の原因というのは、身体内部の物理・化学的な要因のみならず、ストレスなどの心理的要因、環境との関わり、また労働時間や働き方、経済格差といった社会的要因等が深く関わっており、これらが複合的に作用する帰結として生じるのであって、こうした諸要因の全体を視野に入れたアプローチが求められている。

 またこうしたテーマを考えていくと、そもそも「病気」とは何か、「科学」とは何かといった、より根本的なテーマにもつながっていくだろう。

 たとえば近年、そう…

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