人類史「3度目の定常化」時代とは?
「拡大・成長」という成功体験幻想を追い続け先送りされてきた「持続可能な社会」モデルとは。転換を図るための10の論点と提言。

日本の可能性──「経済と倫理」の分離と再融合

 ところで図表71においては、先ほど確認したように日本は(アメリカなどと同様に)グラフの左上のほうに位置しており、現状では「持続可能な福祉社会」という姿からは遠いように見える。

 この背景には、本書のイントロダクションや第2章などで述べてきたように、人々の間の「社会的孤立」度が高く、したがって社会保障など「家族を越えた支え合い」には消極的で、かつ高度成長期の〝成功体験〟から「すべての問題は経済成長が解決してくれる」という意識がなお強く、これらの結果として格差(ないし福祉)や環境の両者においてパフォーマンスが低くなっているという現状があるだろう。

 しかしもう少し歴史をさかのぼって見ると、実は日本…

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