人類史「3度目の定常化」時代とは?
「拡大・成長」という成功体験幻想を追い続け先送りされてきた「持続可能な社会」モデルとは。転換を図るための10の論点と提言。

「第4の拡大・成長」はあるか?

 一方、こうしたテーマに関しては、全く逆の方向の議論も存在する。すなわち、私はここで、これからは〝第3の定常化の時代〟であり、「限りない拡大・成長」とは異なる新たな社会や価値のありようを作っていくべきという議論を行っているが、それに対し、人間というのはいわば永遠に「拡大・成長」を求める存在であって、これからはさらに新たな(第4の)拡大・成長期に入るのではないかという論がありうる。

 典型的な例の一つは、前章でもふれたカーツワイルの「シンギュラリティ(技術的特異点)」をめぐる議論で、コンピューターの〝2045年問題〟という形でも論じられている。その主旨は、様々な技術革新、特に遺伝子工学、ナノテクノ…

この作品では本文テキストのコピー機能を制限しています

01