人類史「3度目の定常化」時代とは?
「拡大・成長」という成功体験幻想を追い続け先送りされてきた「持続可能な社会」モデルとは。転換を図るための10の論点と提言。

日本における福祉思想の過去・現在・未来

 テツオ・ナジタの『相互扶助の経済』を手がかりに議論を進めてきたが、以上のことを、江戸時代以降の日本人にとっての福祉思想をめぐる歴史的な流れをごく大まかに概観する形で確認してみよう。

 先ほども指摘したように、江戸時代までの日本人は〝神・仏・儒〟、つまり神道と仏教と儒教をそれなりにうまく組み合わせて一定のバランスを保ってきたとも言える。ちなみに〝神・仏・儒〟という三者は、フランスの哲学者ガタリのいう「3つのエコロジー」(自然のエコロジー、精神のエコロジー、社会のエコロジー)ともそれぞれ対応していると思われる(ガタリ[2008])。

 しかし明治以降の日本は、残念なことに次のような〝3つのステップ〟…

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