人類史「3度目の定常化」時代とは?
「拡大・成長」という成功体験幻想を追い続け先送りされてきた「持続可能な社会」モデルとは。転換を図るための10の論点と提言。

2│福祉思想の再構築と地球倫理

『相互扶助の経済』──日本の福祉思想へのアプローチ

 「持続可能な福祉社会」というビジョン、そして経済・経営との関連について考えたが、最後にそうした方向の土台となる思想ないし哲学について述べてみたい。

 本書の中で様々な形で論じてきたように、現在の日本においては政府の累積債務が1000兆円に及ぶ規模となり、膨大な借金を将来世代にツケ回ししているという、国際的に見ても異例な状況となっている。社会保障にそくして見れば、「給付」は求めるが、そのための「負担」は忌避し、増税などの先送りを繰り返すという、世代間倫理という点からも許容しがたい事態となっている。

 このような状況を改善ないし打破していくためには、一方で社会保障や税制等の制度にそくした分析や議論が…

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