「演歌」をめぐる謎を解き明かす それは「日本の心」か?「艶歌」とは何か?
「目からウロコ」「衝撃的」「出色」と各界から絶賛の嵐! 2011年度サントリー学芸賞受賞(芸術・文学部門)。

第六章 ご当地ソング、盛り場歌謡、ナツメロ

*《柳ヶ瀬ブルース》と「ご当地ソング」

 さて、《お座敷小唄》をはじめとする、作者不詳の「夜の巷の歌」の流行と同時期に、日本各地の盛り場を歌った「ご当地ソング」も多く現れています。

 それらは、同時代的にもしばしば「演歌調」「艶歌調」と形容されていました。もちろん《の港》以来、レコード歌謡において「地方もの」は常に重要なスタイルではあったのですが、地方都市の盛り場を「都会調歌謡」に準ずるやや洋風のスタイルで歌うヒット曲が、昭和四〇年代以降爆発的に増加しています。

 それらの多くは、「地名+ブルース」という題名がつけられました。それは「ブルース」という言葉が「しゃれた感じ」を持っていたためである、と《島のブルース》の担当ディレクター武…

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