前章の最後で博物館や水族館について触れたが、私たちがイルカのショーを楽しめるのは、ほとんどの場合、追い込み漁のおかげである。
ここ数年、水族館等のイルカ飼育施設に動物を提供することが、追い込み漁の中で大きな位置を占めるようになってきた。
たとえば人気のハンドウイルカについてその数・割合を見ると、2000年度に捕獲総数1271頭で、このうち5・3%が生け捕りにされた。07年度には捕獲総数300頭で25・6%(水産庁および水産総合研究センター〔水産庁Webサイト「捕鯨の部屋」〕が毎年公表している、「日本の小型鯨類調査・研究についての進捗報告」より)。図31を見れば一目瞭然だが、捕獲頭数は減少傾向…
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