「あいつらはホンマ、やくざやで。ちょっと、ぶつかると大げさに転んで、『いてててヤラレタよ~』と叫んでそれを撮影させる」
「とにかくいうことを聞かない。〈立ち入り禁止〉と英語でも書いてあるのに、平気で入ってくる」
外国人を中心としたいくつかの環境保護団体、動物保護団体が太地へやってきている。そういった連中をどう思うか、いさな組合の漁師たちに尋ねると、冒頭のようなコメントが返ってきた。「鯨を取って何が悪い!」という思想的な返事がもらえると期待していたら、どうやら反捕鯨活動の趣旨よりも、やり方がセコイことに苛立っている印象を受けた。
だれに対しても「捕鯨文化を押し付ける気はさらさらない」という太地の人…
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