「えっ! イルカを食べるの?」
「えっ! イルカを食べるの?」という前に漁の現場を見よう。『THE COVE』の舞台・太地でイルカ漁船に便乗し、15年間「おいちゃん」たちと交流した動物行動学者の体験的捕鯨論。

6章 鯨を食べるということ

国際的に認められている先住民生存捕鯨

 今の時代にイルカやクジラを捕って食べることはおかしいのだろうか。人は、いや、生きものは、何かを食べて生きていかねばならない。その何かは往々にして、他の生きものである。だとすれば、鯨を食べることに批判が上がることは、生きものだからではない。野生動物だから問題になるのだろうか?

 IWCは、加盟国における捕鯨を管理し、商業捕鯨は一時停止状態(モラトリアム)であるが、例外的に〝先住民生存捕鯨〟が世界の数ヶ所で認められている(図35)。これは、「地域に密着した伝統で生存に直接必要な捕鯨」とされるもので、IWC的思考としては珍しく、人の生活に視点を置いた措置で、その意味で評価できる。

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