忠実なる“軍人”か、誠実なる“反逆者”か
第二次世界大戦を動かした男の虚像と実像を暴く。俗説を打破する決定版!

第八章 エル・アラメインへ

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 いまや、ドイツ軍は百両に満たない戦車しか持っていない。イタリア軍のそれは、もっと少なかった。一方、予備を補充したイギリス軍は、枢軸軍に対し、戦車数で三対一の優位に立っていた。補給の状態は、トブルク包囲陣を維持するのもおぼつかない。十二月七日、かかる情勢を受けて、ロンメルは退却を決意した。このまま、リビア=エジプト国境付近で頑張っていても、いずれは撃滅されるだけだと悟ったのである。しくも同じころ、東部戦線、モスクワ前面においても、ソ連軍の大反攻が開始されていた。

 十二月七日から八日の夜にかけ、アフリカ軍団とイタリア第二〇快速軍団(アリエテ装甲師団とトリエステ自動車化師団より成る)は、英軍から…

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