かつては野球賭博の胴元と言えば、山口組の竹中正久四代目組長が率いた竹中組が有名だった。四代目の脇を固めていた四国の複数の組織も、野球賭博でその名を知られていた。今でも野球賭博が暴力団の資金源であることに変わりはないが、胴元を取り巻く状況は時代とともに刻々と変化している。
関西と関東では事情が違うが、システム金融でひと財産を築いた若手の資産家や、不動産業や太陽光ビジネスで数百億円規模の売上高があった企業の元オーナーなどが資金力のある胴元として知られている。
彼らはすぐに億単位の現金を手配できるだけの桁違いの資産を持っている。そして国税当局の動きとカネを持ち逃げする仲間の裏切りを最も警戒している…
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