文部省は本当に「三流官庁」なのか?
いまどき「天下り」スキャンダルで、事務次官までも辞任した文部科学省。戦前は内務省文部局、戦中は陸軍省文部局、戦後も自民党文教局、日経連教育局などと揶揄され続け、つねに「三流官庁」視されてきた。
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はじめに

 教育は国家百年の大計といわれるが、その歴史はかならずしも明白ではない。教育史は盛んに研究される一方で、微に入り細を穿ち、たいへん見通しが悪いのである。

 入り組んだ構造は一刀両断の快楽を求める。「教育勅語」を再評価せよ、そうすればあらゆる社会問題が解決する。そんな乱暴な教育論がいまだはびこるのもゆえなしとしない。

 これに対し、本書は、文部省(二〇〇一年以降は文部科学省)と「理想の日本人像」を通じて、明治維新このかた約百五十年の教育史を明らかにする新しい試みである。

 なにゆえ文部省なのか。由来、教育はさまざまな組織が関与してきた。ただ、明治以来、日本人の教育全般を司ってきた組織は、文部省以外にな…

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