神武以来の天才・加藤一二三が語る「羽生善治」
天才が天才を語る!

第六章 加藤・羽生 血涙三番勝負

 これまで羽生さんと私は、公式戦で二〇回対戦している(二〇一三年三月現在)。それぞれ思い出深い対局であるが、最後にそのなかからとりわけ印象に残っている勝負を三番ご紹介したいと思う。

1 将棋史に残る驚愕の一手

一九八九年一月九日 NHK

●高校生・羽生五段と激突

 まずは一九八九年一月九日、第三八回NHK杯の準々決勝である。これが私と羽生さんの初手合いであった。羽生さんは当時、高校生で五段。私は大山さんに続いて史上ふたり目となる通算一〇〇〇勝を目前にしていた。

 結論からいえば、この将棋は六七手という記録的な短手数で羽生さんの勝利に終わったのであるが、将棋界でははなはだ有名な対局であり、いまだに話題になることが多い。

 どうしてこの対局がそんなに話題に…

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