神武以来の天才・加藤一二三が語る「羽生善治」
天才が天才を語る!

はじめに なぜいま、「羽生善治論」なのか

 かつて私は、「神武以来の天才」と呼ばれた。

 一八歳でA級八段になったころのことである。将棋にかぎらず、スポーツでも学問でも、常人には成し遂げられないような業績をあげた人間を、人は「天才」と呼ぶらしい。

 私は七三歳にして現役棋士である。その〝ライバル〟であるよしはるを改めて考えてみたい気がした。その理由は、大きくいって、三つある。

 一つめは、その圧倒的な強さの秘密はどこにあるのかを探ってみたかったことである。これはおそらく、読者の方ももっとも興味があることだと思う。

 二〇一二年七月、当時四一歳の羽生さんは、棋聖位を防衛して通算タイトル獲得数を八一期とし、おおやまやすはる一五世名人を抜いて、歴代単独一位…

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