バブル紳士からヒルズ族まで。その絶頂と転落
ジャーナリストとして、数々の大事件を取材してきた著者が、リクルートの江副浩正、住友銀行の“天皇”磯田一郎、イトマン事件の首謀者・許永中、イ・アイ・イグループの高橋治則ら、15人の怪物を通して、平成日本の暗部を浮き彫りにする―。

「俺の人生はおまけのようなもの」

「田淵節也は、終戦間際、長崎の川棚という日本海軍の特攻基地で訓練教官をしていました。まさしく特攻隊の生き残りでした。潜水服を着て敵船の下に潜り、爆雷をくっつけて爆破したり、ベニヤ板で作ったモーターボートに爆薬を積んで敵艦に体当たりする特攻訓練を指導してきたそうです。やがては自分も出撃するはずだったけど、終戦になった。『とうに死んでいるはず、俺の人生なんか、おまけのようなもんだ』とよく話していました。投げやりというのとは違うのですが、その辺が彼の人生観というか、他にない思い切ったことをできたバックグラウンドだったのではないか、私はそう思うんです」

 田淵節也の最側近の一人であり、田淵が野村證券の会…

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