バブル紳士からヒルズ族まで。その絶頂と転落
ジャーナリストとして、数々の大事件を取材してきた著者が、リクルートの江副浩正、住友銀行の“天皇”磯田一郎、イトマン事件の首謀者・許永中、イ・アイ・イグループの高橋治則ら、15人の怪物を通して、平成日本の暗部を浮き彫りにする―。

まえがき

 昭和の一大汚職として事件史に刻まれた造船疑獄は一九五四年一月七日、東京地検が摘発した。まだ日本社会が敗戦の痛手を引きずっていた混乱期である。贈賄側の山下汽船や飯野海運らが自由党幹事長の佐藤栄作など、有力国会議員や官僚にばら撒いた賄賂は二億七千万円、逮捕者は七十一人を数えた。そのなかで佐藤は法務大臣犬養健の「指揮権発動」により、逮捕を免れた。地検は半年後の六月、政治資金規正法違反容疑でも佐藤を起訴したが、国連加盟による恩赦を受けて無罪放免となる。

 昭和の時代にことのほか記憶に残る大事件といえば、七六年のロッキード、七九年のダグラス・グラマン、八六年の平和相互銀行不正融資などが浮かぶ。佐藤栄作の…

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