メリッサは完璧な形のお尻が欲しかったのだ
ブラジリアン・バット・リフト(BBL)。死亡事件が相次いでいるにもかかわらず、世界で最も急成長している美容整形分野だ。人気の背景には何があるのか。美容整形界の「法王」とその影響とは――。豊尻手術を受けるメリッサと医師グランシーに密着し、医療ツーリズムの現状や文化人類学による歴史的背景も描いた、「ガーディアン」による圧倒的なノンフィクション記事。

あごの下のぜい肉は「天然の詰め物」だ

 グランシーとの2回目の診察に臨もうとしていたメリッサ。1回目の診察から数週間たち、自分なりの計画を練っていた。腹部に加えて顎の下と両腕の下からも脂肪を吸い取り、お尻に移植したい――。私は地元のパブで診察前のメリッサと合流し、彼女の話に耳を傾けていた。

 その後、クリニックで診察が始まった。グランシーが最初にやらなければいけないことははっきりしていた。メリッサの計画に実現性があるかどうか、チェックすることだ。患者が「ここから脂肪を取ってください」と訴えても、そこには骨と筋肉以外に何もないということもあるのだ。

 全身鏡の前に立ちながら、グランシーはメリッサの上腕二頭筋周辺をつまんで言った。「ここか…

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