1万対4万2千、「玉砕の島」の守備隊長
戦死者10222名。最後に残ったのは34名。玉砕から75年、いま明かされるペリリュー戦の全貌。
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第六章  玉砕

ひるがえる星条旗

 米兵がペリリュー島内を歩いていると、突然、銃弾が飛んでくる。どこから発砲されたのか、わからない。狙撃の技術もすこぶる高い。運良く日本兵を見つけても、追いかけているうちにこつぜんと姿が消える。どこかの地下壕に隠れてしまうのである。そして、また別のところから銃撃される。日本兵たちは、この島の地形を知り尽くしていた。

 日本兵の斬り込みによる白兵戦も、島のあちこちで起きた。日本軍の執拗な攻撃は、米軍の想定を遥かに超えるものであった。米軍側の緊張と動揺は、極めて深刻だった。

     ◆

 海軍上等水兵の土田喜代一さんは、幾つかの地下壕を転々としながら、なんとか生き長らえていた。土田さんはこう振り返る。

「島じゅう…

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