人物ノンフィクションの最高峰
1988年の『AERA』創刊以来連載が続く人物ノンフィクション。経営者、政治家、俳優、タレント、スポーツ選手など「現代を象徴する顔」が並ぶ

パラリンピック陸上競技選手・高田千明

1センチでも遠くへ——恐怖心をのみ込み、暗闇の中に身を投じる勇気が飛距離を伸ばす

見えない恐怖を跳び越える

 東京パラリンピックの走り幅跳びで出場が内定している高田千明。全盲の彼女にとっては、走って跳ぶことは恐怖との闘いだ。

 高校3年生で視力を完全に失った。それでも明るい性格は変わらない。両親の反対を押して、出産もし、母になった。

 走り幅跳びを始めたのは、パラリンピックで金メダルを取るため。息子に金メダルをかけることを、胸に誓っている。

文=吉井妙子 写真=伊ケ崎忍

 

 闇夜の中にぽっかり浮かぶ晩秋の東京都・江戸川区陸上競技場。東京マラソン財団が開催する車いす陸上選…

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