太平洋戦争が終わって七〇年がたった。一九四五年一月に生まれた筆者も、七〇歳になった。この七〇年は、世界にとって、日本にとって、自分にとって何だったのか。そういう思いを抱いてこの年を迎える人は、たくさんいるに違いない。そういう数多くの同世代の日本人の一人として、七〇年目の節目に立っての自分なりの思いをここにまとめて出版する機会を得ることになった。
筆者は、一九六八年に外務省に入ってから二〇〇二年に退官するまでの三四年間、仕事の半分をソ連・ロシアとの交渉に費やしてきた。この間、特に八八年にソ連課長になってから欧亜局長を退任するまでの一三…
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