外交の「道徳的敗北」とは?
「戦後問題」を発端に刻一刻と悪化する日本の立ち位置。打開策を緊急提言!

漂流する日ロ関係

 それでは、本稿を執筆する時点で、ウクライナ危機ぼつぱつ以後の日ロ関係は歴史の中に現れたこのの潜在的可能性を生かす外交を展開してきたか。痛惜の念を持って述べるなら、「否」である。

 ウクライナ危機において浮上した機会の窓を摑む方策は、唯一以下の方向性しかありえなかった。

 第一に、しばらくの間、北方領土問題を忘れる。日本自身がどのような位置づけをもっていたとしても、世界の大勢はこの問題を日本問題としてしか見ていない。他方、ウクライナの危機は世界問題である。世界問題の処理に世界が必死になっているときに日本問題を持ちだせば、日本は、外交のわからない、内向き志向の、利己主義国…

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