有権者に関するもうひとつの仮説は「合理的無知仮説」(Theory of Rational Ignorance)といいます。この仮説もすごいです。要は、
頭のよい人ほど、政治には関心がない、政治リテラシーはゼロに近づく
というものです。ちょっと古い理論なのですが、いまでも有効性を保っている仮説で、米国のA・ダウンズという学者が提唱しました。
ダウンズは民主主義社会において情報コストが及ぼす影響について分析し、合理的な有権者は政治に関する情報を持たないことを理論的に述べました(詳しくは、拙共著「有権者の政治知識に関する実証分析」、2005年『選挙学会紀要5号…
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